カードローンに潜む危険性とは?その内容と対策のポイント
一昔前は、サラ金からお金を借りるというのは、後ろ暗いイメージを伴うものでした。しかし今や、「借金」よりも「キャッシング」や「カードローン」という言葉が主流となり、とても気軽にお金を借りられるイメージに取って代わっています。
誰もが便利に利用できるようになったのは良いことではありますが、同時に危険性が増したという見方も否定し切れません。カードローンという言葉の響きは気軽なものでも、借金であることに変わりはないのです。
そんな危険性をしっかり理解してから利用するようにしないと、思わぬ事態を引き起こしかねません。カードローンにはどんな危険性が潜んでいるのか、どのような対策があるのか知っておきましょう。
カードローンの現状と、それが引き起こす新たな危険性とは
冒頭でもお話したように、以前のサラ金と現在のカードローンでは、ずいぶんとイメージが違っています。もちろんイメージだけではなく、内容的にも変わった点が多々あり、それに伴って危険性にも変化が見られます。
まずは、昔と今の貸金業の違いと、近年のカードローンに潜む危険性からお話を始めましょう。
貸金業法の改正
以前のサラ金業者は、今では考えられないような高い金利を取っていました。それが、2010年に完全施行された改正貸金業法によって、大きく状況が変わりました。昔と今の借入の違いも、この法律改正によって生まれたものなのです。
改正貸金業法がそれまでと大きく変わった点は、以下の3つです。
- 総量規制
- 上限金利の引き下げ
- 貸金業者に対する規制の強化
それぞれ具体的にはどう変わったのか、以下にひとつずつご説明します。
総量規制によって何が変わった?
改正貸金業法によって新たに作られた「総量規制」は、借入総額が年収の1/3を超えてはならないという決まりです。これは、借り過ぎによる生活の破たんを防ぐため、つまり借りる側を守るために作られたルールなのですが、逆に困ったことも起きています。
というのは、たくさん借りないと生活が回らない人が、総量規制のせいで期待するほどの金額が借りられず、違法業者から借りてしまうという問題です。
総量規制が導入されたために専業主婦もサラ金からは借りられなくなり、どうしても困って闇金に手を出す主婦が増えています。
ちなみに、貸金業法は諸費者金融系や信販系に適用される法律です。(こちらもご参考に→信用金庫のカードローン情報)したがって、銀行や信用金庫などの「銀行系」は、年収の1/3以上の借入や専業主婦の利用も可能です。
上限金利の引き下げ
総量規制と同様、消費者を守るために改正貸金業法で新たに決められたのが、上限金利の引き下げです。改正前は、貸金業法の上限金利の20.0%~出資法の上限である29.2%までの、いわゆるグレーゾーン金利を採用する貸金業者が主流でした。
20%を軽く超える金利は今ではあり得ないほどの高利ですから、当然返済に苦しむ人が多かったのです。そのため改正貸金業法では、出資法の上限金利を以下のように引き下げて、それ以上の金利を取った場合は刑事罰の対象となりました。
借入限度額 | 上限金利 |
---|---|
10万円まで | 20.0% |
10万円超~100万円まで | 18.0% |
100万円超 | 15.0% |
このように上限金利が引き下げられたのは良いことのように見えますが、実際は諸刃の剣でもあります。
金利の引き下げによって気軽に借りられるようになったため、必要以上に借り過ぎてしまうリスクも上がったのです。
貸金業者に対する規制の強化
これは、貸金業者が適切な営業をしているかの監視や、違法業者に対しての規制を強めるというもので、とてもありがたい改正点なのは確かです。
しかし、健全な貸金業者は総量規制の範囲内でしか貸せないため、消費者金融では借りられない人が増えました。銀行ならば貸金業法は関係ありませんが、審査が厳しいというデメリットがあり、やはり借りられない人が出てきます。
正規の業者から借りられない人は、苦肉の策として闇金から借りるしかなくなります。規制が厳しくなったために闇金に流れる人が増えてきたというのも、皮肉な話ですが事実なのです。
闇金には絶対近づかない!犯罪に巻き込まれる危険性を自覚しよう
前章では、貸金業法の改正前後で何がどう変わったのかをお話しました。改正によって新たな危険性が出てきたということにも触れましたが、この章ではその辺りをさらに詳しくご紹介し、どんな対策を取ればいいのかお話します。
気軽に借りられることのデメリット
以前は、サラ金を利用するとかお金を借りるということに対するイメージも悪く、キャッシングやカードローンはとてもハードルの高いものでした。しかし前章でお伝えしたとおり、総量規制や金利の引き下げによって、カードローンは安心して使えるものだというイメージに変化しました。
さらに、大手消費者金融やメガバンクを中心に、インターネットで簡単に申し込めたり、申し込んだその日にすぐ借りられたりと、スピーディーかつ利便性の高いサービスが当たり前になりつつあります。
このように、カードローンはいつでも誰でも気軽に使えるものになったために、必要ないお金まで借りてしまったり、よく内容を確認しないままに借りてしまったりする人が増えているのです。
そして、これが家計破綻の入り口となり得るのです。
返済方法や金利をよく確認しよう
金利が最大20%にまで引き下げられて、これくらいの利息ならじゅうぶん返せると考える人も増えたかもしれません。しかし、借入額や返済方法によっては、思わぬ金額になってしまうこともじゅうぶんあり得ます。
しかし、「月々5万円近くも返済できない!」という人も多いですよね。では、月々3万円の返済で考え直してみると、返済期間は3年8か月にもおよび、返済総額は1,295,791円です。利息だけで約30万円にもなるんです。
返済方式によっても返済総額は変わってきますので、事前に金利や月々の返済額だけではなく、
- 返済方式
- 返済期間
- 返済総額
これらの点についてもきちんと確認しておく必要があります。多くの貸金業者のサイトには返済シミュレーションができるページがありますので、ぜひ利用するとともに返済計画をきちんと立てましょう。
恐ろしい借金地獄
さて、なぜ長々と、気軽に借りられるデメリットや返済総額を確認することの重要性をお伝えしてきたかというと、ここに気を付けないと借金地獄に陥る危険性があるからです。
返済総額から元本を引いて利息分を確認してみると、思った以上に多額になることに驚く人も多いと思います。
返済能力があるのなら何の問題もないのですが、返済期間が長くなるにつれて返済が苦しくなり、新たな借り入れをしなければならなくなる人も多いのです。
しかし、繰り返しになりますが消費者金融には総量規制がありますし、銀行系は厳しめの審査があるので、新たに借りられない人もいます。そういう人が、やむにやまれず違法業者に手を出してしまうケースが多いのです。
違法業者いわゆる闇金から借りても、ますます借金がふくらむだけです。何の解決にもなりません。近年は、主婦を狙って優しく借金を迫る「ソフト闇金」なる業者も多いですから、絶対に違法業者には手を出さないようにしてください。
違法業者を見分けるには?
大手の消費者金融やメガバンクなら、法律の範囲内での貸し付けを行っていますので、安心して借りられます。中小規模の消費者金融や地方銀行などでも、正規業者は多数ありますが、大手と違って信頼できるところなのかすぐには分かりにくいものですよね。
さきほどのアコムでいえば、
このように表示されています。
金融庁のホームページでも、登録番号から業者名を検索できるページがあります。ここで出てこない業者や、登録番号を表示していないところは闇金の可能性がありますので、利用しないようにしましょう。
債務整理も検討しよう
すでに返済が苦しくなって、ダメだと分かっていても闇金から借りないとどうしようもないと思い詰めている人もいるかもしれません。これから借入する人は、こうならないようにここまでお話してきた注意点を守ってほしいのですが、すでにお困りの人にも対策はあります。
- 法テラス
- 弁護士会や弁護士事務所
- 司法書士事務所
- 自治体の法律相談
- 日本貸金業協会
- 日本クレジットカウンセリング協会
上記のように様々な相談先がありますので、ぜひとも相談してみてください。そのうえで、任意整理や自己破産などの債務整理もできますし、借金が軽減されたりなくなったりする可能性もあります。
闇金には絶対に手を出さず、このような建設的な方法で生活を立て直していきましょう。
闇金業者の間で利用者の名簿が出回っているから、新たな違法業者から勧誘が来たり、詐欺グループの標的になったり、返済が滞ると危険な仕事を勧められたり等々、どこまでも追い詰められかねないんじゃ。
返済に困ったら、専門家や公的機関に相談するのが一番じゃ!自分だけでなんとかしようとしてはならんぞ!
家族や職場の人にバレると社会的信用を失う危険も!対策は?
ここまでカードローンの闇の部分についてお話してきたので、利用するのが怖くなってしまった人も多いかも知れません。しかし、適切に利用するならむしろ便利なものでもあります。
ただ、きちんと計画的に利用していても、誰かにバレてしまうという危険性はあります。最後に、その辺りについてもお話したいと思います。
バレるのはこんなとき
闇金以外の正規業者からきちんと返済できる分だけを借入しているのであれば、まったく何の問題もありません。でも、世間的には借入ということに良い印象を持たない人もいますから、できるだけ人に知られずカードローンを利用したいというのは自然な願いですよね。
借入がバレてしまいがちなのは、以下のようなタイミングです。
- 在籍確認
- 利用明細などの郵便物
- ローンカードの存在
バレないようにするためにどうすべきか、対策について考えてみましょう。(⇒レイクなら家族に内緒で借りられる?)
在籍確認はこう乗り切ろう!
カードローンに申し込むときには、勤務先を伝えなければなりません。貸し倒れにならないためにも、本当にその勤務先で働いているのかどうかを確認するため、貸金業者が電話をかけてくるのが在籍確認です。
この電話は個人名でかけてくれる業者が大半なので、もしも職場の誰かに電話を取られても、即座に借入がバレることはありません。
しかし、「何の電話?」と怪しまれるのも避けたいという場合は、電話をかけてくる日時や名乗り方などの希望をあらかじめ伝えておきましょう。
必ずしも希望通りにしてもらえるとは限りませんが、相談してみる価値はあります。それと同時に、職場の人に自分宛てに電話がある旨を伝えておくことや、「親戚」「保険に加入する」「クレジットカードを作る」等々、電話の言い訳を考えておくのも良いでしょう。
郵便物が来ないようにするには
契約書やローンカード、月々の利用明細などが送られてくることによって、家族にバレてしまうこともあり得ます。これを回避するには、以下のような対策が可能です。
- インターネットだけで完結する申込方法にする
- Web明細を利用する
- ローンカードの発行がない業者を選ぶ
最近は、申し込みから返済までのすべてを、インターネット上で済ますことができるサービスも増えてきました。また、紙の利用明細は発行せず、Webで明細確認ができる業者も多いです。
さらに、ローンカードの発行はせず振り込みによる融資を行う消費者金融や、手持ちのキャッシュカードがローンカードとして使えるという銀行もあります。これらの条件を満たす業者でよく知られているところとして、
- SMBCモビット
- プロミス
- 三井住友銀行
などがあります。地方銀行や信用金庫でもそのようなサービスを行うところは、多いです。
このようなところを利用すれば書類が送られてくることもありませんし、家族に明細やローンカードなどが見つかることによってバレるリスクはなくなります。
返済を忘れない
その他の借入がバレるタイミングとして、滞納した時というのが挙げられます。通常ならプライバシーに配慮してくれる業者でも、度重なる滞納があったら話は別です。自宅や職場に督促の連絡が入りますので、くれぐれも返済日を忘れないようにご注意ください。
返済方法を口座からの自動引き落としにしておけば、滞納のリスクは減らせます。ただし、残高が足りなければ引き落とせませんから、やはり滞納となってしまいます。
これを防ぐには、そもそも借入の際に、適切な限度額設定をするのが重要です。借り過ぎなければ返済がキツくなることはありませんから、本当にそのお金が必要なのか、じゅうぶんに考えてから必要最低限の金額だけを借りるようにしましょう。
Web完結やカードレスのサービスがある業者を利用することで、借金がバレる危険性は減らせるんじゃ。
カードローンを利用しているだけなら何も悪くはないんじゃが、滞納となると社会的信用を失うことにも直結してしまうんじゃ。滞納すると業者から連絡が来てしまうから、そうならないためにも返済日を忘れないようにするんじゃぞ!
借り過ぎ注意!返済できなくなる危険性もはらむカードローン
貸金業法が改正されたこともあり、カードローンがとても気軽に利用できる時代になりました。その反面、多くの人が熟慮せずに借金をしてしまうことになり、返済が苦しくなり、返済のためにまた借りるという悪循環に陥りやすくもなっています。
こうならないためには、事前に本当に借り入れが必要なのかをよく考え、返済シミュレーションをしたうえで返済総額や返済期間を理解してから契約することが、非常に重要です。
カードローンを利用していて困ったとしても、公的機関に相談するなど対策はいろいろありますから、くれぐれも闇金にだけは手を出さないようにしてくださいね。
【参考ページはこちら】
カードローンのよくある質問集
一番気を付けるべきところは、いつまで返済し続けるのか、さらに、返済額が全部でいくらになるのかということじゃ。それを踏まえて、高すぎる限度額設定をしないようにするのも重要じゃぞ!
まかり間違っても闇金には近づかないよう気を付けて、適切なカードローン生活を送ってほしいんじゃ!
人気タレントを広告に起用して親しみの持てる会社としてアピールしているが、うまく使わないと生活が破たんしてしまうことにもつながるのがカードローンなんじゃよ。
無利息キャンペーンを使って賢く使うなどすればお得じゃが、返済能力を超える借り入れをしてはならんのじゃ。