カードローンの借り換えって得なの?計算してみて解ったこと
あなたは借り換えを考えたことがありますか?
カードローンは一度申込んで審査に通ったら、ずっとそのままという方が多いようです。確かに、また申し込んだり審査を受けたりすることを考えれば、よっぽどの理由がない限りは借り換える気になどなれません。
そこで借り換えを考えたことのないあなたに代わって、一体どのくらいお得になるのか、実際に金利計算を実行してみました。
もしもお得な結果が出たら、一度はカードローン借り換えを考えてみるべきかもなのしれません。果たしてホントに借り換えるメリットがあるのかどうか、一緒に検証してみましょう。
今更聞けない!?カードローンの借り換え基礎知識
でも実際の計算に移る前に、カードローンの借り換えがどういうことなのか、ここでもう一度カンタンに復習しておきたいと思います。「実は意外と解ってなかった」なんてことがあるかもしれませんよ。
金利の差で得をするのが借り換え
借り換えとは、基本的には金利の差によって将来の返済額を減らす方法です。例えばこんな感じです。
これなら年0.2%分、金利が低くなったことになります。でも同じことなら、より金利差の大きいところで借り換える方が有利ですよね。
そこでより低金利の銀行で借り換えると、こんな感じになります。結果、年4%も金利が低くなりました。
でも金利だけでは何とも言えません。借り換えには利用残高の情報も必要です。そこで残高を500万円としましょう。A社とC行の500万円に対する適用金利は、次のようになります。
以上は、借り換えの骨組みに過ぎません。後で実際に数字を使って計算しますので、詳しいことはその時にまたご説明しましょう。
意外と知ってる人は少ない!?カードローン借り換え方法
それにしてもカードローンの借り換えって、一体どうやるんでしょうか?特に借り換えを考えたことのない方は、具体的な方法を知らない方も多いようです。
借り換えってどうやればいいの?
数件以上の債務をまとめて借り換える「おまとめ」と違って、1件から1件へ借り換えるのは決して大げさなことではなく、特に専用の借換えローンを利用する必要もありません(もちろん利用しても構いませんが)。
あちこちから借りたり期日遅れが目立ってくると、なかなか自由に審査を受けることができなくなってきますが、信用情報に問題さえなければ借り換え先は簡単に見つかります。
もしも返済が思ったように進まないといった不満があるなら、今が借り換えのチャンスかもしれませんよ。
普通のカードローンで借り換えできる
例えばA社からC行に借り換えるなら、以下のような手順になるでしょう。借り換えだからといって、何も特別なことをする訳ではありません。
?C行で新規申込み
?C行で借入
?A社を完済、解約
但しひとつだけ違う点があります。
?のC行で新規申込みする時点ではA社の契約がまだ生きており、必ずその残高を申告しなくてはなりません。でもこのままでは2社で同時に借りようとしている人と変わらないので、審査に通らない可能性もあります。
企業によって対応に違いがある
企業の種類によっても対応は異なりますが、いずれにしても金利に差がないと借り換える意味はありません。
・借り換えは年収1/3を超えていても可能(総量規制の例外)
・審査には比較的通りやすい
・金利が低いので借り換え効果大
・審査はやや難しい
・借り換えには使えない商品もある
どのカードローンも基本的に借り換えはできますが、対応が確実な商品をご紹介しておきましょう。このような商品ならより安心して申し込めます。
- オリックス銀行カードローン
- 楽天銀行スーパーカードローン
- 三菱UFJ銀行バンクイック
- じぶん銀行カードローン
- プロミス(借り換え用商品もある)
- アコム(借り換え用商品もある)
借り換えた後は解約しておこう
ところで完済した元のカードローンの契約は、そのままにしておいて良いものなのでしょうか?答えはNOです。もう使わないカードローンは、完済の上必ず解約までしてください。
といいますのも、たとえ利用残高0円であっても、借入可能な利用枠は今後のローン審査に直接影響するからです。
もしも何度か借り換えを繰り返し、その都度元のカードローンを解約せず放置しているとどうなるでしょう?場合によっては現実の利用額にかかわらず、いつか審査に通らなくなってしまうかもしれません。
例えば信用情報機関に以下のような情報が残っていれば、あなたがいつ200万円を借りてもおかしくない状況だからです。
B社:極度額100万円の契約・残債額は0円
使わないカードローンやクレジットカードのキャッシング枠は、必ず解約するか0円に設定しておくことをお薦めします。
カードローン解約は意外と面倒?
ご参考までに、一般的なカードローン解約手順の一例をご紹介しておきます。解約はネットからという訳にいかず、このように一手間がかかるのが普通です。
?完済する(千円未満の端数はとりあえずそのままでOK)
?カードローン会社に解約を申し出る
?端数残高の処理は担当者の指示に従う
?契約書を返送してもらう
?カードの処分は担当者の指示に従う
千円未満の債務は端数残高と言って、利用中はこのまま放置していても構わないお金ですが、解約するにはこれも清算しなくてはなりません。
なお端数残高の処理、契約書の扱い、カードの処分方法は、カードローン会社によっても異なります。いずれも自分で判断せず、必ず担当者の指示に従うようにしてください。
また借り換え後のカードローンの処理も大切じゃ。ほったらかしておくと、後々審査に通りにくくなるので、必ず完済の上きちんと解約しておくように!
計算実行その?:アコムからバンクイックに借り換える
では実際に計算して、借り換え効果を実感してみましょう!まずはアコムから三菱UFJ銀行バンクイックに借り換えてみます。消費者金融から銀行へ、18.0%から14.6%への借り換えです。
18.0%から14.6%への借り換え
元の借入と借り換え先の基本条件をご紹介しましょう。
残高・・・・10万円
金利・・・・18.0%
返済額・・・月1万円
残高・・・・10万円
金利・・・・14.6%
返済額・・・月1万円
これから以下の手順で計算を進めます。
?バンクイックの完済までの利息合計を計算(借り換え後)
?最後に両者を比較
計算:借り換えなかった場合の利息総額を出す
ではアコムの利息額から計算していきましょう。
カードローン返済は月1回で、数ヶ月以上(今回は11回)かかります。毎月元本が減っていくので、新たに利息を計算しなおし、その合算が利息総額です。
?最初に、アコムの初回利息額を計算します。
利息計算式 | 初回利息額 |
---|---|
10万円(元本) * 18.0%(年率) * 30/365(日数) | 1,479円 |
?次に、これを元に返済後の元本を割り出します。返済したので少し減りましたね。
元本計算式 | 初回返済後の元本金額 |
---|---|
10,000円(月返済額) - 1,479円(利息) | 8,521円 |
?そしてこの新しい元本を元に、2回目の利息額を計算します。
利息計算式 | 2回目の利息額 |
---|---|
8,521円(元本) * 18.0%(年率) * 30/365(日数) | 1,353円 |
・・・これを完済までやるのですが、それは省略しますね。
最終的に、アコムでは返済回数11回、利息の合計額は9,018円となりました。
計算:借り換え後の利息額を出す
では次に、バンクイックで借り換え後、完済まで利息が幾らかかるかを計算してみましょう。計算式は全く同じですので、こちらは結果だけを。
バンクイックでは、返済回数11回、利息総額は7,280円です。
結果:利息の軽減効果はどのくらい?
アコムからバンクイックに借り換えると、1,738円おトクという結果が出ました!
アコム利息(借換え前) | バンクイック利息(借換え後) | 借り換え効果 |
---|---|---|
9,018円(返済11回) | 7,280円(返済11回) | ▲1,738円 |
なおこの計算は、各社サイトに設けられた返済シミュレーションを使えば、どなたでも簡単にできます。借り換えをお考えの方は、是非一度お試しください。
ただこれに気が緩んで期日遅れなんてことがあると、折角節約できた利息が台無しになってしまうので気をつけよう。
計算実行その?:バンクイックからみずほ銀行に借り換える
次に、バンクイックからみずほ銀行に借り換えた場合を考えてみましょう。今回は同じ銀行同士の借り換えですが、金利差があるので利息軽減効果が期待できます。
14.6%から7.0%への借り換え
基本条件は以下の通りです。銀行など金融機関のカードローンは商品によって金利の差が大きいため、借り換えが非常に有効です。
残高・・・・10万円
金利・・・・14.6%
返済額・・・月1万円
残高・・・・10万円
金利・・・・7.0%
返済額・・・月1万円
結果:利息の軽減効果はどのくらい?
計算パターンは同じですので、経過は省略して計算結果だけをお伝えしましょう。
バンクイックからみずほ銀行エグゼクティブプランに借り換えると、3,943円おトクという結果が出ました!
バンクイック利息(借換え前) | みずほ銀行利息(借換え後) | 借り換え効果 |
---|---|---|
7,280円(返済11回) | 3,337円(返済11回) | ▲3,943円 |
今回は金利が低かっただけに、かなりの利息軽減効果が出ています。借り換え後は毎月の返済額をもっと増やすことで、返済期間も減り、更に利息は節約できるでしょう。
なお今回毎月の返済額は全て同じ1万円で計算しておるが、借り換え後は返済を増やすことで、より一層利息の軽減が期待できる。なるべく追加返済をして、利息軽減効果をよりアップしよう!
利息を減らすだけじゃない!?借り換えの様々な理由とは
借り換えの効果は、利息軽減だけではありません。それ以外にも、様々な理由で借り換えは行われています。利息を減らす以外にも、一体どのようなメリットがあるのか見てみましょう。
借り換え先の特典やサービスも魅力!
これまでとは違う新しいサービスや特典が利用できるようになることも、借り換えのメリットのひとつです。
例えば先ほど使った例のみずほ銀行エグゼクティブプランなら、教育ローンなど様々な特典も利用できます。利息が減った上に特典もあるなら、借り換えのメリットは大きいですよね。
今お使いのカードローンと比べて、他の商品に以下のような特徴があるのを見れば、あなたも心が動くのではないでしょうか?
■無利息期間サービスが使える
・30日間無利息
・5万円まで180日間無利息
・なんどでも1週間無利息
■多機能ローンカードが使える
・銀行キャッシュカード一体型
・クレジットカード一体型
総量規制は借り換えの大きな理由
この中でより現実的な効果が期待できるのは、総量規制のかからない商品への借り換えでしょう。借り換えによって年収の1/3という制限から自由になり、今よりもたくさん借りれるようになるからです。
(⇒銀行系カードローンの魅力は総量規制だけじゃない?)
総量規制回避は利用者にとって切実な問題ですが、これは貸す側にとっても同様で、借り換えに前向きな業者って実は多いんですよ。
このような背景から、以下のように総量規制のかかる商品から対象外の商品への借り換えは、実によく行われています。
総量規制がかかる(元の借入先) | 総量規制対象外(借り換え先) |
---|---|
消費者金融カードローン → | 銀行カードローン |
消費者金融カードローン → | 個人事業主向けローン |
消費者金融カードローン → | 借り換え、おまとめローン |
借り換えには様々な金融機関のカードローンもお薦め
また今回計算で使った企業は消費者金融と銀行でしたが、カードローンを扱う企業はこれ以外にもたくさんあります。例えばメガバンク以外にも、このように多数の金融機関が存在します。
- 地方銀行
- 信用金庫
- 信用組合
- 労働金庫
このような機関の扱うカードローンには、都市銀行には見られない低金利の商品もあるので、借り換えをご検討中の方には一押しですよ!
(⇒ろうきんのカードローン情報はこちら)
借り換えは信用情報を汚す恐れもある
これ以外にも様々な借り換え理由が考えられますが、問題は信用情報です。先ほども少し触れましたが、カードローンの契約や解約は、大なり小なり信用情報に影響するからです。
少々のことでは悪い結果に繋がることはありませんが、カードローンの商品内容に目移りして、やたらと借り換えを重ねることは慎まなくてはなりません。
こんなことで金融会社に警戒されて借りれなくなってしまっては、本末転倒もいいところですよね。
総量規制がかからない商品は、銀行カードローンだけでなく、消費者金融の中にも例外があるので、業者も前向きなんじゃよ。
なお金融機関の商品は銀行以外にも多数あるので、こちらも見逃さんようにな!
検証!結局のところ借り換えはお得になるのか?
利息の軽減効果を計算したり、それ以外の目的も考えてみましたが、結局のところ、借り換えはお得になるのでしょうか?
借り換えのメリット
借り換えのメリットをまとめてみましたのでご覧ください。
- 利息の負担が減る
- 総量規制がかからなくなる
- 新しいサービスや特典が利用できる
- 特に費用などはかからない
- 金利や残高に常に関心が向く
特に費用もかからず、新たなサービスが使えたり、利息が減ったりたくさん借りれるようになったりするのは、利用者にとって大きなメリットです。
また借り換えを意識すると、自然と金利や利用残高についての関心が高まるのも好ましい影響です。一般に借りすぎてしまう人には、利息や返済額のことを余り考えない傾向がありますものね。
実際にやるやらないは別として、借り換えについて考えるだけでも、安全なカードローン利用には大いに役立つでしょう。
借り換えのデメリット
一方、このようにデメリットもあります。
- 解約や申込みの手間がかかる
- 信用情報が汚れる
- 利息の軽減効果が低い場合もある
この中の「利息の軽減効果」は、個人の感じ方によっても違ってきます。先ほどの計算結果を見ても、お得だと思う人もいれば、それほどじゃないと言う人もいるでしょう。これは個人の考え方ですので、どうこう言うべきことではありません。
長く借りれば利息は増えてしまう
しかし実感とは別に、利息の軽減効果は返済期間に大いに左右されます。先ほどの計算例においては返済期間を6ヶ月にしましたが、これがもっと長引けば、計算結果は全く違ってくるのです。
例えば借り換え後、延滞をすれば返済期間が延びて利息額が増えるだけでなく、遅延損害金というペナルティまで課されることに。
延滞しないまでも、金利が減ったからといってのんびり返済していると、利息の軽減効果は当然薄れてしまうでしょう。借り換えが本当にその効果を発揮できるかどうかは、やはり使い方次第ということですね。
しかし金利や利息について考えることは有意義じゃ。我輩は、やるやらないは別として、誰でも一度くらいは借り換えを本気で考えてみるべきだと考えておる。
カードローン借り換えにはメリットもデメリットもあります!
カードローン借り換えは、利息の軽減や総量規制回避という大きなメリットがあります。実際の計算からも、低金利で借り変えることで確実に利息額が減ることが分かりました。
でも借入残高や返済期間をよく検討しないと、思ったような効果が得られない可能性もあります。信用情報に影響が出るなど良いことばかりではないので、やたらと借り換えることはお薦めできません。
利息の減る効果も、返済期間が長くなると薄れてしまいます。なるだけ短期間で返済するように心がけないと、借り換えのメリットを生かすことはできません。
【参考ページはこちら】
カードローンを契約すると賃貸の審査で落ちやすい?
ただし必ずしも思った通りの効果があるとは限らんので注意が必要じゃ。また次々借り換えると信用情報も無駄に汚れるから、利用前にはよく検討するようにな!借り換えにはデメリットも伴うことを、いつも念頭においてほしい。
こうやって話だけだと簡単に聞こえるんじゃが、実際には色々やるべきこと、考えるべきことが沢山あるんじゃよ・・・